釣り人の天敵「ブヨ」
ブユ(蚋、蟆子、Black fly)は、ハエ目(双翅目)カ亜目ブユ科(Simuliidae)に属する昆虫の総称。ヒトなどの哺乳類から吸血する衛生害虫である。関東ではブヨ、関西ではブトとも呼ばれる。
特に春から夏(3月~9月)にかけて活発に活動する。夏場は気温の低い朝夕に発生し、昼間はあまり活動しない。ただし曇りや雨など湿気が高く日射や気温が低い時は時間に関係なく活動する。
ブヨは体長3~5mm位の吸血性の虫です。蚊と比べるとかなり小さいため、ブヨに刺されるまでは、ほとんど気付かない人が多いようです。
ブヨは皮膚を噛み切って吸血するため、多少の痛みを伴い、患部を中心に赤い出血点が出来、流血することもあります。snowpeakより
まるで呪われたかのように痒い。
ブヨに噛まれても「ちょっとした虫刺され」ですむ方もいる一方で、わたしのように完治まで少なくとも1か月はかかる方も多くいます。
問題となるのは「ブヨの唾液」です。
ブヨは吸血時、血液凝固を防ぐため患部に唾液を注入するのですが、この唾液がアレルギー反応をおこして痛痒さを引き起こします。
このアレルギー反応からできるだけ早く逃れる方法…。
それは、
ブヨ毒(唾液)をなるべく早く体外に排出することです。
患部に毒が残留すると、いつまでたっても完治しないばかりか傷跡が残り、数年たってもストレスや体調不良などで患部に痒みを復活させることもあります。
早々に毒を排出できれば傷跡も残りませんし、痒みも最短で消えます。
そもそもブヨに噛まれないために
とくに6~9月の早朝は厳重警戒体制です。わたしはよく「船宿」または「釣船の前」に待機しているときにやられます。
もちろん防波堤からの釣りも要注意です。
じっとしていると噛まれます。
歩いているときには噛まれません。
なので「手足をぶらぶらさせておく」など、「常に何かしらの動きをしておく」ことも、ブヨに噛まれないためのひとつの対処法となります。
↑夏。
ルアーマンお決まりの全身タイツ姿は「針の危険から身を守る」という理由かと思いきや、わたしの場合はブヨ対策。
マジ完璧だと思います。
肌が露出する部分は虫避けスプレーを塗りたくります。スプレーした後「塗り伸ばす」のがキモです。
よく「ハッカ油が良い」「虫よけスプレーは効果が薄い」などと言いますが、スキンベープやサラテクトも効能としてブヨを含みますので、塗らないよりは塗ったほうがはるかにマシです。
たいてい塗り忘れたときにヤられるんですよね^^;
ブヨに噛まれて数時間は、釣りに熱中しているせいか噛まれたことに気づかないことが多いです。
たいてい帰港中か帰路の車中で「虫刺され」に気づき、翌日、腫れあがった患部を見て
クソがあああああ(。>д<)
ってなります。
数日かけて傷口が土手のように隆起し、中心の穴から体液がにじみ出ます。そして耐えがたい痒みが呪いのようにつきまといます。(症状には個人差があります)
「ブヨに噛まれない方法」まとめヽ(`Д´;)ノ
- 6、7、8、9月の早朝は要注意。
- できるだけ肌を露出しない。
- 露出した肌には虫よけスプレーを。
- 港前でじっとしない(手足をブラブラ = 「ブヨダンス」で回避)
「ブヨに噛まれたとき対処」まとめ(`д´/;)/
- 1に毒抜き!!
- 2に毒抜き!!
- 3に毒抜き!!
磯ブヨの経過観察1(うまく毒が抜けた例)
よく言われるブヨ対策は、
- 噛まれたらすぐ(ポイズンリムーバーなどで)毒素を抜き、
- 患部を温める ⇒ 患部を温めて毒素を変質させることで無毒化する方法。まだ痛みも痒みもない状態であれば有効。
- しかし痛みや痒みが出はじめたら患部を温めることは逆効果。腫れや痒みを抑えるべく冷やす。
というものですが、わたしの場合
ブヨに噛まれた当日は傷跡が見当たらないため、対処のしようがないんですよねぇ^^;
もとい、ブヨに噛まれた翌日の症状です。
時間の経過とともに複数の水泡が出現。まずは水泡を破きます。
この水泡が毒素を抜く鍵となります。ライターで焼くなどして消毒したマチ針で穴をあけ、体液とともに毒素を流しだします。
自然に毒素を抜くならガーゼは邪魔です。なぜならガーゼを当てると「かさぶた」になってしまうからです。
かさぶたになると体液が出ません。
そうなれば毒素は体内に残留します。
残留した毒素を放置すると慢性的な症状が数年残るケースがあるので、なんとしても毒素はすべて体外に排出したいです。
なのでかさぶたは邪魔です。
しつこいようですが、「もういいだろう」と思ってかさぶたを許容すると、かえって痒みがとれず、完治が長引くケースがあります。
そんなときは傷口周辺の「しこり」を見てください。患部が「土手」のように盛り上がっているなら毒素はまだ抜けていないと考えられます。
「しこり」がなくなるまで「かさぶた」を剥がして毒抜きに専念します。
体液が出る以上はどんどん出します。
だいぶしこりの土手が小さくなってきました。
しかしまだ痒いです。
患部が隆起しているうちは毒素を出します。
かさぶたが剥がせなくなったら試合終了です。
約1か月の攻防でした。
ここまでやれば大抵、痒みも残りませんし、傷跡も残りません^^
土手消滅。
あとは傷跡が完全に消えるのを待つのみ…。
4か月後。気にならないくらいに傷跡がなくなりました^^
磯ブヨの経過観察2(苦戦した例)
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噛まれた当日は患部に「違和感」を感じた程度の軽傷。まさかブヨとは思ってもみませんでした。
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35時間後。肘から下がドラ〇もんの手のように…。
3日後。腫れは引いたものの、傷跡が小さいため体液がうまく排出されません。
体液があまり出てこないので「症状は軽いな」と思って半ば放置してしまったのが一番の敗因かもしれません…。
このように体液が出にくいときこそポイズンリムーバーを使う意味がありそうです。
傷がふさがり体液が出なくなると痒みが増します。
猛烈な痒み。
慌ててかさぶたを剥くも体液はちょびちょびしか出ません。
2か月が経ちとうとうかさぶたが消滅しました。
これにて試合終了ですが「しこり」は残ったままです。
もちろん痒いままです。
治療失敗…。
来年はポイズンリムーバー買います(^o^;)
ブヨに噛まれてから半年後の写真です。
4か月が過ぎたころには「痒み」は消えていました。
傷跡はちょっと残ってしまいましたが、可能な限り体液を出したことで最悪の事態は免れたと思います。
ブヨ恐るべしですね~^^;
ステロイド外用薬について
子供にこの痒みが耐えられるでしょうか?
掻きむしって化膿するなど大変なことになるかもしれません。
なので「痒み止めの塗り薬」が欲しいですよね。
皮膚科でもらった「スチブロン」の有効成分はジフルプレドナート。抗炎症作用と血管収縮機能の強さによって5段階に分けられるうち、2番目に強いVery Strongのステロイド外用薬でした。
アレルギーの免疫反応を抑える抗炎症作用により、皮膚炎の赤みや痒みを抑える薬です。
しかし痒みは収まらず、
次にもらった「マイアロン」の有効成分はプロピオン酸クロベタゾール。なんとステロイド外用薬の最強レベルです。
皮膚科の医師は完全にふさがった患部を押して体液が出ないことを確認し、「ブヨは結局毒素が抜けないと痒みがとれないんだよねー」と言っていました。
塗り薬は一時的な痒みをおさえるにとどまり、根本的な解決にはならないということですね。
というわけでブヨの治療は
「毒素の排出」が一番大事というお話でした^^