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※当記事は内容が古くなった部分等、2017年4月に加筆修正しています。ご了承ください。
はじめに
あたかも神の目を得たかのようにマルイカの触りが見える魔法のロッド…
その全容が…(°Д°)
2015年度つり情報7月号で明らかにっ!ヽ(`Д´;)ノ
こりゃ作るっきゃありません(  ̄▽ ̄)
さて竿を作るならロッドパーツが売っている
お店に行って教わるのがもっとも確実です^^
今回は鎌倉にある藤沢つり具センターにお世話になりました。
聞けば一からアドバイスしてくださいます。ネットショップもやっているので必要なものはあとからでも購入できます。塗料やロッドパーツのほとんどがここで手に入ると思います。
東京近郊なら上野にあるサバロもよろしいかと^^
もし身近に相談できるお店がないときは、富士工業の「誰にでもできるロッドクラフト」というPDFも大変参考になります。
そんなわけで当ブログでは、
「ゼロテン穂先を作ってみたいけど取っ掛かりがよくわからない!」
「お店でいろいろ聞いたけど忘れちゃった!」
という方の参考になれば幸いです^^
なお、竿の作り方は幾通りもあります。ここで紹介する内容はあくまで一例であることを先にご理解いただきたいと思います^^
作り方の流れ
はじめにざっくりとした作り方の流れを紹介いたします。
ベースとなる竿を用意します。
竿の穂先をカットして並継できるようにします。
または、
藤沢釣り具センターで並継用のロッドパーツを購入し自分で組み立てます。
グラスソリッドの穂先を電動ドリルに取り付け、耐水ペーパーで削りながら好みのテーパー(曲がり具合)に仕上げていきます。
トップガイドを仮止めしてテーパーを確認します。
慣れると感触だけでテーパーを確認できるようになるため
この作業は不要になります。
穂先に色を塗ります。
塗りムラができないよう竿をロッドドライヤーに取り付けて、竿をクルクル回転させながら塗装します。
1日置いて塗装を乾かします。
ガイドにスレッド(糸)を巻いてガイドを穂先に取り付けます。
スレッドにエポキシを塗ってガイドを接着します。
完全に乾かすために 2~3日寝かせます。
あとは釣るのみです!
繊細な穂先を折らないよう「スッテの巻き込み」と「穂先の糸絡み」に十分お気をつけ下さいね!
以下、竿作りの道具と工程について
順を追って詳しく説明していきます^^
ベースの竿を選ぶ
ゼロテン穂先は「折れる」可能性があるため、穂先の替えがきく「並継竿」として作る必要があります。
並継竿を買っても良し、既製品を切って「並継」にしても良しです。
もしくは2017年現在、藤沢釣具センターでは、並継部【3.5㍉】【4.0㍉】【4.5㍉】のブランクが売っています。最初から剛性が確保されているこちらを組み立てるのがおすすめです。
穂先を選ぶ
大型の釣り具店、またはネットショップでグラスソリッドを購入します。自分で削りたくない場合は、藤沢釣り具センターに達人の穂先を模した穂先がバリエーション豊富に売っています。
太いと削るのが大変なので
できるだけ最終形に近い太さを選びます。
ゼロテン穂先の最終形はおおむね
【長さ45㌢】【先径0.3~0.5㍉】【元径3.5~4.5㍉】です。
ガイドを選ぶ
個人的にはSiCリングが15個ついて
6000円代のヘチ竿セットが気に入っています^^
ただ近年では、
「ガイドの重さが繊細なアタリを消す」という考えから、Sicリングのないミニクロガイドを使用するようになりました。
TIPS:Sicリング
Sicリングは低摩擦抵抗のためラインダメージを減らすべくほとんどの竿で使用されているガイドです。ですからSicリングのないミニクロガイドを使用する場合はフッ素コーティングする等の工夫がおすすめです。
TIPS:ガイドは使い捨てではありません
穂先が折れてもガイドだけは回収し再利用できますので高級ガイドも無駄にはなりません^^
ノギス(太さを測る)
並継部分の「内径」や穂先の「外径」など、
太さを測るにはノギス を使用します。
ノギスには「マニュアル」で目測するタイプと
測れば一発で「デジタル表示」される2タイプがあります。
参考までに写真のノギスは0.1㍉単位でしか測れない安価なデジタルノギスです。半端な数字は四捨五入?されてしまうため正確に0.1㍉を測ることができません。
そんなわけで0.01㍉まで測れるものがベストですが…
0.1㍉の商品でも事足りるかと思います^^;
耐水ペーパー(竿を削る)
ブランクや穂先を削るためには「耐水ペーパー 」を使用します。耐水ペーパーは「水をつけて使用」する使い捨ての「ヤスリ」です。
低い番手ほど荒く、高い番手ほど滑らかです。
一般的には荒番手から順に削って滑らかな番手で仕上げます。
ゼロテン穂先の場合はおおむね100、400、600番の順に削り、800番か1000番で仕上げれば十分かと思います。
耐水ペーパーは用途にあった大きさにカットして使用します。
鉄ノコギリ(竿を切る)
竿を切る場合は鉄ノコを使用します。刃の山は「24ピッチ」と「32ピッチ」を試しましたがどちらでも大丈夫です。
鉄ノコは押し切りです。歯の向きに注意して取り付けます。
ブランク(竿)に軽く刃を当て、押し切ります。
カーボンブランクは縦に繊維が走っているので、一方向からのみ切り続けると縦方向に亀裂が入り「割れる」ことがあります。
そこで少し切ってはブランクを回し、ブランクの一周に対して「均等」に刃を当てるように切っていきます。
「あと少しで切れる」と思っても決して割らず、
最後まで刃をあてて丁寧に切り落とします。
切り落としたら、竿の先端を「耐水ペーパー」で軽く削って平らに慣らします。
参考までにわたしが切った並継部分の内径は2.7㍉です。問題はなかったもののもうちょっと太いほうが安心かなという印象でしたので3㍉くらいが妥当かと思います。
藤沢ブランクを参考にするなら最低3.5㍉にすべきかもしれません^^;
ブランクの断面を補強する
並継部分は切りっぱなしにしておくと
繊維方向にヒビが入って割れてしまいます。
そこで継ぎの部分に「スレッド(補修糸)」を巻いて、「エポキシ」を塗って補強します。(目次に戻って該当項目を参照ください)
より強固に補強するならカーボンロービングがおすすめです。
電動ドリル(穂先を削る)
電動ドリルはなんでもいいと思います。(「無段変速機能」付きだとトルクを調整できるので便利です)
グラスの粉塵は肺に悪いそうですからマスクを着用します。
ドリルチャックに穂先を取り付けます。
削る目的はテーパー(曲がり)を出すことです。
水で湿らせた耐水ペーパーをグラス穂先に当てて
ドリルを回転させて削ります。
やり方の一例
・100番で穂先以外をおおざっぱに削り、
・400番で穂先を含め全体の形を整え(穂先は折れる可能性があるので削りすぎに注意です)
・600~800番で穂先のテーパーを調整しながら仕上げます
※800番で仕上げると塗料の密着性が上がります
塗料の密着性を上げるため素材表面に適度な凹凸をつけることを「バフをかける」と言います。次の工程で説明する「ウレタン塗り」に最適なバフは800番です。
継ぎ部分も、根元が合うように太さを調整します。
できるだけピッタリ合うように削ります。
ちょっと極端な描き方ですが、印籠(インロウ)継ぎは強度が出にくいので、見た目は悪くても強度が出やすい一般的な並継をおすすめします。
以下、45cmのグラス素材で作成した穂先の一例になります。
(先端0.3㍉、先端から約10センチ上のあたりが0.6㍉の穂先例です)
※ゼロテン時のオモリ負荷について詳しくはこちらの記事を参照ください。
曲がりのテスト
ガイドを取り付ける前に、オモリをつけて曲がりのテストをしたい場合は、 セメダインラピーを使います。
慣れてくるとテーパーは予想できるようになり、テスト作業をとばすことができます。テーパー(曲がり)の調整が終わったらいよいよ塗装です。
ウレタン塗装に必要な道具
エンジンウレタン・ホワイト
…2液性の良質なウレタンです。
今回は視認性をよくするという目的で「ホワイト」に塗ります。主剤と硬化剤の混合比は2:1です。
うすめ液(ウレタン専用シンナー)
…エンジンウレタン専用のうすめ液です。エンジンウレタンの原液(主剤と硬化剤を混ぜたもの)に、約30%混ぜて使用します。
- 硬化を抑制し塗りやすくします。
- 気泡の混入を抑制します。
デジタルスケール
…溶剤を計量するために使用します。
計量カップ100ml
…溶剤を混ぜるために使用します。ウレタンを重ね塗りするときはカップ内に筆を立てたまま放置できる100ml(写真の大きさ)が便利です。
タミヤ平筆 No5
…毛先が非常に柔らかくウレタンの「筆塗り」に適しています。
ラッカーシンナー
…いわゆるシンナーです。
容器や筆についたウレタン塗料の「洗浄」に使用します。主成分はトルエンですので蒸気を吸引すると危険です。子供がいないところで必ず換気して作業してください。
塗装にあると便利な道具
キムワイプ
…ティッシュのような紙カスが出にくい紙製のウエスです。作業前の消毒や塗装にも使用できます。(リールのメンテナンス等でも重宝します)
無水エタノール
…手垢や油汚れ、殺菌、除菌などに使える万能薬です。「キムワイプ」に「無水エタノール」を含ませて作業前に素材を拭く等、消毒用途で使用します。
マスキングテープ
…塗装したくない部分を「マスク」するための
「剥がせるテープ」です。
ロッドドライヤー
…竿に塗った塗料を乾かすためのドライヤーです。モーターを回転させて塗料をムラなく乾かします。
塗装の準備
穂先をしっかり押し込んだところで継ぎ部分に印をつけます。
竿から穂先をちょっぴり引きだしマスキングテープで固定します。
ロッドドライヤーに竿を固定してモーターの電源を入れます。
ウレタン塗料の作成
エンジンウレタンの「主剤」と「硬化剤」を軽量カップに注ぎます。混合比は「主剤2 : 硬化剤1」です。「重さ」で正確に測定します。
※なかなか難しいですけど分量を間違えると
硬化不良を起こすためピッタリ2:1で混ぜます。
硬化不良を起こさないよう筆等でしっかりかき混ぜます。
混ぜた時点で硬化がはじまりますので
数分置いて泡が抜けたらさっそく塗りはじめます。
全部で3回重ね塗りしますが、
一回目だけはうすめ液を入れず原液のまま塗装します。
1回目を原液で塗る理由
うすめ液に含まれるシンナー成分は少なからずグラス素材に染み込み素材を痛めます。そのためグラス素材に直接、塗装する1回目は、うすめ液を入れず「原液」のまま塗装し、塗膜ができた二回目以降は原液にうすめ液を追加して塗り重ねます。
二回目以降うすめ液を入れる理由
原液は放置するとどんどん硬くなりあっというまに塗りにくくなります。そのため時間を置いて「重ね塗り」するにはうすめ液を追加してしゃぶしゃぶにし硬化を抑制します。うすめ液は基本的に塗りやすくするために追加します。
ウレタン原液が硬くて塗れない
冬季などはウレタンの原液が硬くて塗れないこともあるそうです。そんなときは事前に原液のビンを湯煎して軽く温めると良いそうです。
筆や容器は必ず乾燥させてから
ウレタンの原料となる「硬化剤」は「主剤」と反応してはじめて「ウレタン原液」になりますが、この硬化剤に含まれるイソシアネートという成分は「水分」とも反応して硬化してしまうそうです。こうなると硬化不良の原因になります。筆や容器はドライヤー等でよく乾かしてから使用します。
筆塗り
ロッドドライヤーの電源を入れ、竿を回転させながら穂先にウレタンを塗装していきます。
筆で塗るときはサッ、サッと掃除するように、先端から胴にかけて「軽く」「柔らかく」塗り広げていきます。
※「強く」塗ったり「往復」したりすると、さっそく乾きはじめた塗料が引っかかって剥げることがあります。あくまで同じ方向に、潔く、サッ、サッと「軽く」塗り広げるのがコツです。
もし失敗してしまったら、ラッカーシンナーで拭きとれば一からやり直すこともできますが、先述した通りシンナー成分は素材に浸透しダメージを与えますので、やらないにこしたことはありません。
基本的に塗装は失敗できません(^o^;)
先端部分は非常に細いためしばしば塗料が「ダマ」になります。放置しておくとそのまま固まってしまうためキムワイプで軽く拭き取ります。
ウレタンの重ね塗り
上記工程で1回目のウレタンを塗ったら、1日置いてしっかり乾燥させるのが最も失敗しないやり方です。
ただ「ウレタンは乾いてくると塗りにくい=引っかかりやすい」という特徴さえ押さえておけば、さきほど作った原液にうすめ液を30%加えて、続けて30分~1時間おき(室温による)に塗り重ねることができます。
※「重ね塗り」を翌日に行う場合は、その日の塗料は(硬化してしまうので)捨てて、翌日新たに塗料を作り直します。
ウレタンの「原液」にうすめ液を塗料全体の約30%入れ、よくかき混ぜます。
うすめ液はやがて揮発するので分量は適当で大丈夫とのことですが、あまり多く入れすぎると乾くのに時間がかかるので入れすぎに注意です。
うすめ液を入れるとしばらく放置しても固まらなくなります。
30分~1時間置き(室温による)に重ねて塗ります。
なお、塗れば塗るほどブランクに張りがなくなり「モタれ」ますので、何度も塗ればいいというものでもありません。感度が必要なマルイカ穂先の場合は2回も重ね塗りすれば十分です。
塗装が終わったらロッドドライヤーを回した状態で8時間以上乾燥させます。(室温18度以上)
容器を洗う
ゴム手袋を装着しラッカーシンナー を容器に注いで筆でじゃぶじゃぶ洗います。
臭いが強烈ですので「換気扇の下」か「屋外」で作業するのが無難です。
筆は、500mlの空き瓶にラッカーシンナーを注いで1晩漬けておくと完全に復活します。
スパイン出し
「スパイン」とは英語で脊柱(背骨)のことを言い、「スパインを出す」とは、ブランクの中で一番反発力のある背骨を見つけることを言います。
これはブランクが持っている強さを最大限に活かすために必要な作業です。
赤丸の部分を軽く押さえて左右にグリグリ転がします。すると、転がって不安定な部分と、ピタッと安定して止まる部分があります。
このピタッと安定して止まったときの下側がスパイン(背骨)です。あらかじめマスキングテープ等を貼っておき、マスキングテープの上側に目印をつけます。
ガイドはスパイン側に取り付けます。※
※ルアーロッド等、ガイドが下向きになるようなロッドは、スパインとは逆側にガイドを取り付けます。詳しくは誰にでもできるロッドクラフトを参照ください。
トップガイドの取り付け
トップガイドの取り付けには通常、5分型の2液性フィッシングボンドを使います。
フィッシングボンドのA剤(主剤)とB剤(硬化剤)を1:1の割合でガラス板の上に出し、付属の「ヘラ」または「つまようじ」で混ぜます。混合比は目分量で大丈夫です。
※写真はガラス板の代わりにサランラップを使用しています。
穂先にボンドを塗って、穂先をガイドに挿入します。はみ出たボンドは綺麗に拭き取り、位置がずれないよう少しの間押さえておきます。
サランラップはそのままゴミ箱へ^^
スレッドの巻き方基本
ガイドはスレッド(糸)を巻いて取り付けます。
使用するスレッドは「補修糸(極細)」または「細めのスレッド」です。色は、視認性の良いレッドやオレンジが一般的ですがこれは好みですね^^
作業前に、不要になった細めのPEライン等で「抜き輪」を作っておきます。チチワ結びです。のちほど必要になります。
ブランクにスレッドを巻いて指で押さえます。
青部分の上に緑部分を巻きつけていきます。青部分を緑部分で押さえつけるイメージです。
数回巻くとスレッドがほつれなくなりますので、
余分をカットします。スレッドにテンションをかけながら竿を回して密に巻いていきます。
巻きをストップしたいときは、巻いているスレッドの上に「抜き輪」を置き、
「抜き輪」の上から5回ほどスレッドを巻きます。
スレッドを5センチくらい残してカットします。(片手作業になるのでできるだけ切れるハサミをご使用ください。ハサミは安くても新品が切れます)
カットしたスレッドの先端を、抜き輪の「輪」の中に通します。
抜き輪のしっぽをつかんで引き抜きます。
これでスレッドが止まりました。
スレッドの先端を軽く引っ張りながら根元をカットします。
するとスレッドの先端が目地に隠れて綺麗に処理できます。
ガイドにスレッドを巻く
一般的にガイドはマスキングテープでガイドの足を固定してスレッドを巻きます。
しかし、
ヘチ竿用のガイドは極めて小さいため
マスキングテープでブランクに固定するのは至難です。
そこでマスキングテープの代わりに「ガイドアデッシブ」または「ホットボンド」というロウソクのようなものを使用して「仮止め」します。
「ガイドアデッシブ」または「ホットボンド」を火で炙ったら、
ガイドの足にちょっぴり付けます。
すぐに固まってしまいますが、火で炙れば再び柔らかくなります。
ブランクにくっ付けます。たいした粘着力はないので位置が悪いときはペリっと剥がせます。
仮止めできたら、
ガイドにスレッドを巻いてしっかり固定します。
トップガイドから順に取り付けるとやり易いです。
好みでスレッドの色を変更しても面白いです。写真の黒い部分は黒いスレッドで巻いたものです。
よく曲がる部分ほどガイドを多く配置し、PEラインが竿に触れないようにします。
すべてのガイドにスレッドを巻き終えたら、エポキシを塗ってスレッドを固めます。
エポキシ塗りに必要な道具
クリスタルシーン
…良質な2液性のエポキシです。
分量は正確な計量が求められるので、クリスタルシーンほか「ハンドレッドコート 」などのノズル式が扱いやすいです。
クリスタルシーンの主剤と硬化剤の混合比は10:8です。ただし硬化剤が主剤を少しでも超えると硬化不良を起こすため、10:7.8くらいで混合します。
(ハンドレッドコートの混合比は10:10ですので10:9.8 くらいで混合します)
うすめ液
..エポキシ用のうすめ液です。エポキシの原液(主剤と硬化剤を混ぜたもの)に約30%混ぜて使用します。
- 原液にうすめ液を加えることで塗りやすくします。
- 気泡の混入を抑制します。
デジタルスケール
…溶剤を計量するために使用します。
プラカップ30ml
…溶剤を混ぜるために使用します。
平筆4号
エポキシは2液混合後、約3分で硬化しはじめゲル状に固まっていきます。塗りやすさの面で固めの筆が適しています。
エポキシを塗る
主剤と硬化剤を1:0.78の割合で混ぜます。
硬化不良を起こさないようよくかき混ぜます。
さらにうすめ液を全体量の約30%追加してよくかき混ぜます。
気泡について
エポキシをかきまぜると細かい気泡ができます。この気泡が混入したままエポキシを塗るとそのまま固まってしまい竿が曲がったとき「割れ」やすくなります。そのためかき混ぜたら数分置いて、気泡を飛ばしてから塗りはじめます。
ロッドドライヤーを回転させながら、スレッドにエポキシを染み込ませるように薄めに塗ります。欲張って厚塗りするとエポキシが偏って凸凹になりやすいので注意です。
エポキシは通常2~3回重ね塗りします。
エポキシの重ね塗りについて
エポキシはウレタンと違い乾くのが遅いため通常1日置いてから重ね塗りします。ただし触ってみて指紋がつくくらいに固まっていれば次を塗ることができますので、夏季であれば4~6時間置きに塗ることができます。
絶対に気泡を混入させたくない場合
大物竿等の場合は、気泡の混入が致命的なクラック(割れ)を引き起こすためアルコールランプ を使用して気泡を飛ばします。が、いずれ折れてしまうマルイカ穂先の場合は不要かと思います^^;
塗装が終わったら数日放置して完全に乾かします。
完全に乾くまでに要する時間は「うすめ液の量」や「室温」等、条件にもよりますがおおむね2~3日です。
エポキシは中性洗剤の原液で洗います。たっぷり注いでよくかき混ぜたら、水で洗い流します。
いよいよ実釣です!!
継ぎ目のガタを防ぐ
手作りだとどうしてもガタが出て甘くなるのが「継ぎ」部分です。そこで、ガイドアデッシブまたはホットボンドを使用して固定します。
穂先の継部分にホットボンドを塗って、固まる前にリール側のブランクに挿入します。
穂先を抜きたいときは、強めに引っこ抜きます。(抜けない場合は軽くライターで炙りますが、ライターの当てすぎはエポキシやブランクにダメージを与えます。ライターを左右に揺らして軽く温める感じです)
ガイドの回収
穂先が折れてしまったらガイドを回収しましょう!
ライターでエポキシを軽く炙り、
デザインナイフ等でこそぎ落とします。ブランクは燃えるゴミです。
ライターで強く炙りすぎるとガイドが煤けてしまうこともありますが、使用に問題はありません。
トップガイドにグラスの芯が残ってしまったときは
もしトップガイドにグラスの芯が残ってしまったら、トップガイドをライターで炙り、中に詰まったグラス素材を焼き切ってから針でほじるか、ラッカーシンナーに漬け込んで十分に溶かしてから針でほじると取り除けます。