カツオ・マグロの特徴から天秤を選ぶ


 

キハダマグロは針掛かりすると一気に走り出し、数百メートルもの道糸を引き出します。多く走らせればそのぶん体力を消耗するので、糸巻き量は多いに越したことはありません。

 

最低300m、巻けるのであれば500mくらいあると安心です。

 

さて、キハダマグロをたくさん走らせるには、ビシにかかる水の抵抗を極力なくすのが良いそうです。ビシの抵抗を無くせる天秤としては全遊動式の「カモシ天秤」があります。

 

 

 

 

カモシ天秤

カモシ天秤図解

カモシ天秤は「天秤」と「道糸」が独立した構造になっています。そのためキハダマグロの走りに関係なく天秤は独立します。つまり、キハダマグロはビシの抵抗を感じずに走ることができます。

 

 

 

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↑たとえ天秤がオマツリしても、キハダマグロは自由に走れるので、「バレにくい」というのも利点の1つだそうですね。

 

 

 

↓これが固定式の天秤となると、キハダマグロが天秤を引きずる形になりますから、ガタガタと動くビシが抵抗になるというわけです。

kamoshiAのコピー

このように「カモシ天秤」はマグロをたくさん走らせるという点において絶大な効果を発揮するわけですが、しかし弱点もあります。

天秤が動くので、天秤を手にとって魚を手繰り寄せることができません。そのため、カツオの取り込みにはむしろ不向きな天秤と言えそうです。

 

 

 

普通の天秤

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ヤマリア(YAMARIA) 船テンビンK型メジカツオSP2.5mm 35cm

 

カツオを主体とする船ではもっとも使用率が高いメジカツオ天秤。可もなく不可もない天秤ですが、「天秤のしなりがクッションの役割を果たす」としてむしろ好んで使用する方もおられます。

 

 

 

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マグロ天秤の使用率も高いですね。No.305式 KH型(アーム長35cm)もシンプルで扱い易く人気があります。

 

いずれにせよ固定式の天秤は、キハダマグロが掛かるとビシがまともに水の抵抗を受け、吹き飛んでしまうことがあります。

 

 

 

 

 

※2014年追記

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ビシが吹き飛ぶのはスナップの弱さ。なので好みの天秤を購入後、スナップのみより強靭なタイプに変更される方もおられます。

 

 

 

 

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No. 305式のタイプの中ではKD型(アーム長さ47cm)が、マグロの走りに対応すべく多重リングを使用しており強靭です。

 

 

 

ただし、

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残念ながらKD型は青物バスターには適合しません。

 

より強靭なのはKD型。
しかしNH型(アーム長43cm)でも十分に強いと個人的には思います。

 

 

 

 

 

 

「半遊動」チドリ式天秤

「半」遊動というくらいですから、「ちょっとだけ天秤が自由」です。

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黒いヒモの範囲内で天秤が自由に動きます。

 

この遊びがあることによって、魚が餌をくわえた瞬間、

 

  1. 魚に天秤の違和感を感じさせにくい
  2. 魚の当たりをダイレクトに感じやすい

 

という利点があります。これは「カモシ天秤」も同じです。「カモシ天秤」と違うのは、天秤が「ちょっとしか動かない」ため、魚の取り込みも「通常の天秤」並みに楽ということです。

逆に、キハダマグロに走られたら、「通常の天秤」と同じようにビシがなくなる可能性があります。

 

 

 

 

 

もし半遊動を試したいなら、チドリ式108MH(アーム長50cm)か、チドリ式108C(アーム長60cm)をおすすめします。

長さは好みですが、真鯛のように長ハリスでなければアームは短いほうが扱いやすいです。

 

 

なおチドリ式天秤は、

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「オマツリ」するとスプリング状の関節に道糸が食い込むことがあるため、その使用を禁止する船宿もあります。

 

※同様にカモシ天秤を禁止する船宿もありますのであらかじめご確認ください。

※カモシ天秤はカモシリングと併せて使用します。