マルイカ釣りをたしなむ方なら誰もが気になる「達人」の存在。2015年4月15日のつり情報でも特集されていたのでご存じの方も多いかと思います。
独特の調子をもつ自作ロッド…。
そしてゼロテンションによるボトム(底)の釣り方…。
―――遡ること5月16日土曜日。
はじめてマルイカ釣りに挑戦した日のことです。
この日はクルージング主体で船の釣果は0-14杯と不調ながら、
わたくし11杯と健闘。
初心者にしてはまあまあかな( ̄▽ ̄)
と密かにクルージングを満喫しておりました
―――ところがです。
沖上がり直前の午後2:00。
葉山沖で達人を発見。
いえ、わたくし達人の存在をこのときはまだ知りませんでしたので、
「あれが達人だよ」
と同船した方に教えてもらい
はじめて達人の存在を知りました。
最初はふーんて感じで見ていました。
しかし次第に「瞬き」ができなくなり…
目を奪われるとはまさにこのことです。
何に驚いたかと言えばその釣りのシンプルさです。
シンプルすぎて最初は何が起きたのか理解できないほど、その動きは素早くも洗練されたものでした。
- 着底したら、糸フケを取らずに??(着底と同時にゼロテンを取っているようです)
- ピタリ…と静止。
- と思った矢先にはアワセを入れ、
- ゆっくりと巻き上げる…(ゆっくり巻くのはムギの追い乗りを狙っているそうです)
えっ?!
もう釣ったの?!!
あっけにとられ
口を半開きにして見ていると、
- 取り込みはツノを逆さまにするだけでイカを船内のイケスに落とし、
- そのまま手の力を緩めてスルスルと再投入。
あっという間の1ターン…。
いや、驚いたのはここからです。
これを何度も、
何度も何度も何度も何度も
繰り返すのです。
―――そんなことってある?!
10年以上釣りをやってきて、ここまで
レベルに差を感じた
のは初めてのことです。
釣りにレベルがあるなら達人のそれは
レベル99
ラスボスも真っ青です。
まさか
神がいる
とは…(;゚;Д;゚;)
こうして初挑戦にして神を見たわたくしは
ゼロテンについて深く考えるようになりました。
しかし人によっては、「ゼロテン」ではアタリを取るのが難しいといいます。やはりゼロテンは、達人のオリジナルロッドがあってこそなのでしょうか。
なぜ達人の竿はこんな形をしているのでしょうか。
そしてゼロテンという釣り方は市販の竿でも本当に通用するものなのでしょうか?!
自分の竿にあったゼロテン釣法を―――
いや、
まず自分の釣り方に合う竿を見つけるのが先決です。
そんなわけで2回目となる5月30日土曜日は、
自分に合った竿を見極めるべく「極鋭ゲーム82 M-155」と「メタリアMH-150」を試してきました。
基本的に浅場は柔らかめの竿で攻めるのが近年の主流のようです。
しかし結論からすると、竿の柔らかさは海の条件によってもその良し悪しが変わるように思います。
胴まで柔らかい竿「極鋭ゲーム82 M-155」
「極鋭ゲームM-155」は8:2調子ながら負荷をかけると胴まで曲がる柔らかい竿です。(写真はオモリ負荷30号)
穂先が柔らかいのでアタリはわかりやすいですが、胴まで柔らかいので、
- 叩きにくい
- アタリが出ても即合わせしにくい
- ゼロテンは保ちやすいけれど、波が高いと胴が船の揺れを吸収してしまうので、ノイズを拾いやすい。>波が高いとゼロテンでアタリを取りづらい
なるほど、自分には「胴が少し硬い」くらいがちょうど良さそうです。
硬い竿 「メタリアMH-150」
深場をメインとした竿なので
浅場に不向きなのは当り前かもしれません^^;
胴が硬いうえ、短いので、叩きやすさは抜群ながら、
波が高いとゼロテンのキープが至難です
墨をかけられても気づかないこと数回
マイクロサイズを良く掛けていました。
やっぱり(浅場では)穂先が少し柔らかいほうが良いようですね^^;
思いのほか柔らかい竿先―――
…∑( ̄□ ̄;) !!!!!!!
もしかして
この曲がり方使えるかも?!
と思って試したA-ブリッツ タチウオ M-195が…
※追記:オモリをたてた状態は、オモリの負荷を背負っている状態ですので、正確には「ゼロ」テンションではありません。
まさかのヒット!ヽ(`Д´;)ノ
腕が悪すぎて自慢できるような釣果ではありませんが
一応64杯、竿頭でした…
欲を言えば穂先がもう少し柔らかければな~といったところですが、
南風強風―――この波風でもゼロテンが安定し、アタリが明確に出るのですから、A-ブリッツ タチウオ はへたなマルイカ竿よりよっぽど釣れちゃうポテンシャルがあるのかもしれません^^;
A-ブリッツ タチウオ は、マルイカ竿のように穂先が細くないため、まずノイズを拾いにくいです。 そして適度に硬く長い胴が、ゼロテンをキープ。
まさかでした笑
ところで同日、高校生にして名人の域と言われる「スーパー高校生」をカメギ根沖で発見。
釣りを忘れてしばらく観察していましたが、…凄いですね。同日の釣果は168杯だそうです。
とにかく取り込みが「正確」かつ、めちゃくちゃ速く、直結仕掛けで2杯掛けをコンスタントに取り込む姿は、本当に高校生なの?!と疑いたくなるほどで、圧巻の一言
使用竿は、廃盤になったアルファタックルのライトフグ170だそうです。この情報が一俊丸さんの釣果ブログで紹介され、似たような竿が売れまくってるというのは、ここだけの話??
まとめますと、
胴が硬くてやや長く
穂先が柔らかい竿。
ゼロテン釣法に向いている竿は、必ずしもマルイカ竿ではないのかもしれません^^;
今一番試してみたい竿は…(°д°)…。
(笑)
※追記
浅場のマルイカ釣りは基本、根掛かりを避けるため、ほんの少し底を切って狙うのが通常かと思います。そういった意味では今回の記事はかなりマニアックな内容となっており、ゼロテンに特化した遊び要素の強い記事になっております。
ゼロテンだから釣れた!
みたいに書いてしまいましたが、マルイカの繊細なアタリをゼロテンで、市販の竿で狙うのは、極めて難易度が高いというのが本当のところです。
その難易度の高いゼロテン釣法を攻略するには、市販竿ならどんな竿が向いているのでしょうか?!
―――という疑問に焦点を当てた本記事ですので、本記事の内容がマルイカ釣りの本流ではないこと、そしてゼロテンだから釣れるわけでは決してないこと、誤解なきようよろしくお願いいたします^^
※2016年追記:もはやマルイカ釣りの主流と言えるほど流行ってきたゼロテン、マスターするとかなり強力な武器になりますので、ぜひ体得したい釣り方です。当ブログでもいろんなヒントを書いていますのでぜひ検索から「ゼロテン」で調べてみてください\(^o^)/